みるくとはちみつの予定調和: 鯨の解体作業をみてきたので、感想

2012-08-28

鯨の解体作業をみてきたので、感想

鯨の解体作業を観てきました。我が千葉県は捕鯨の県として有名なのは知っていましたが、沿岸小型捕鯨基地は4ヶ所しかなく、関東唯一の基地が南房総にあるとは知りませんでした。地元なのに知らないで恥ずかしい。
 そんな情報を知ったのが先週の半ば。その時既に捕鯨枠が残り3頭になっており、翌日には1枠埋まり、週末にもう一枠。週末に見に行けたらよかったのですが、ちょうど車の車検と重なり断念。
 今年中の見学は無理かと思っていましたが、日曜に最後の1枠となる鯨が捕獲され月曜解体となり、丁度先週流れた有給休暇をとっていたので行ってきました。


偏った知識しかなく、殆ど鯨も食べたことの無い自分にとって、鯨の解体現場というものを見学することにいささか不安がありましたが、終わってみればまぁなんてこと無かったです。
 不安だったのは2点。「鯨をかわいそうと思ってしまわないか」「臭いで気持ち悪くならないか」でした。
 前者は愛玩動物として観てしまうんじゃないかと不安で仕方ありませんでした。扱いとしては牛や豚と同じなのに。最後まで一片たりとも「かわいそう」とは思いませんでしたが、食材とも思いきれず、なんだからよく分からない物体を解体している現場を見ているという不思議な気持ちに。単に食材と割り切れなかったのは食べてる量が圧倒的に少ないからかもしれません。
 後者の臭いについてですが、魚の生臭さとは違う独特な臭いがありました。でもそれほど不快ではなく、気にしなければ気にならない程度でした。これは、捕獲してから1日ほど海中に保存されているからのような気がします。確認はしていません。
 まぁ、この独特の臭いは鼻に付いたまま家に帰って風呂に入ってもまとわりついていたような感覚があったのですが、さすがに今は無くなりました。



解体現場を見て感動したのは、20人ちょっとぐらいいる解体現場の職人さんの誰一人として無駄に動いている人がいなかったこと。1分以上手が空く人はいなかったです。(呼吸を整える為に一呼吸置いたとか、安全に関わるから手を出さない。とかそんなレベル)
 あれだけレベルの高いプロの現場を見てしまうと、ただただ感動したとしか言えません。すげーカッコイイです。
 そういうプロの現場なので、道具も設備も無駄がなく観ていて気持ちが良い。(まぁ、あの現場で無駄と言う物があったら、すぐに事故起こしてます。ミスをしたら1撃で死ぬレベルの作業とか普通にやってますし)

鯨の解体で全く予想も気にもしていなかったのが音。音でした。
 鮪の解体はよく見ているし、魚を捌く時に発生する音の延長線上にありますが、鯨は違いました。赤身と白身を分ける時に「バリバリ」と音がします。なんて例えたらいいのでしょうか?凄い遠くの雷鳴?接着剤で貼り付けられているベニヤ板を無理やり剥がすような音?音の正体は筋繊維が切れている時の音だったのでしょうか?解説がないのでわかりません。このあたりは次回以降の課題(詳しい人に訊いてみる)としましょう。


解体現場に若い女性がいました。現場に女性がいない分けではありませんでしたが、あきらかに一人だけ浮いていたので始めは疑問に思っていましたが、解体作業が始まると解体というよりか調査を中心にしていたので海洋大学の学生かな?と予想していましたら、隣で話しているおっさん同士の会話(詳しい人が一方的に話しているだけでしたが)の中で海洋大学の学生さんと言っていたので予想はあたっていたみたいです。
 解体作業中に発生する調査に必要な部位は、学生さんに提供されるのですが、調査も解体のプロセスの一環として組み込まれているので、流れるような解体作業のなか部位が提供されていました。ようするに、学生さんもあのプロの現場の一員として、見事に立ち回っていました。無駄がない。かっこいい。




捕鯨の伝統だからとか、捕鯨国だからとかで見学するっていうのも全然有りですが、『プロの現場』として非常にレベルの高いものであったので、そういう観点からも機会があれば一度見学することをお勧めします。
 個人的にはあと2回ぐらい観たい。その時は是非Ustで生中継してみたい。
 以上、感想でした。




2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

いまさらながらに読んで、プロの仕事を観に行きたくなりましたヨ。Ustreamなんかで流したら、けっこう観る人いそうだな。

takesa さんのコメント...

Satoshi OKAWARA さん。どうもです。

よかったら来年見に行ってみて下さい。
来年の捕鯨時期に房総旅行として宿をとって、タイミングが合ったらイベント1件追加。みたいな。
そのぐらいのゆったり感でもいいと思います。
よかったら自分もお伴しますよ。