みるくとはちみつの予定調和: 自炊とか呼ばれてる本の電子化

2010-07-03

自炊とか呼ばれてる本の電子化

※2010/12/26に「続・自炊とか呼ばれている本の電子化」をエントリしました。
※2014/01/08に「続続・自炊とか呼ばれている本の電子化」をエントリしました。

「自炊」っていう言葉になんか違和感がありますが、「自炊and電子化」でぐぐると必要な情報がでてくるのでもう逆らえないなーって思ってます。
iPadが国内販売してから1ヶ月は経ってますので、検索すれば自炊の情報は十分に得られるのですが、自分なりの設定も詰めてみましたので、参考になればとエントリしてみます。

まず始めに機材ですが、すべてMacOSX(10.6)で処理しています。Windowsの方は申し訳ないのですがあまり参考になりません。別の検索結果を見たほうがいいかと思います。
本の断裁はカッター使用。OLFAの150円ぐらいのやつです。断裁についてはいろいろ試したい事があるのですが、お金がなくて投資できてません。
PDFの結合は高価で高機能でよく落ちるAdobe Acrobat Proを使用。つか、CS4ユーザーなので。
画像処理が必要な場合はPhotoshopを使用。CS4ユーザーなので。
ドキュメントスキャナとしてAii in OneプリンタのHP Officejet 7410を使用しています。(購入時に一度電子化を試みて失敗してる)
最終結果はiPadにてCloudReadersでの閲覧を目的とする。

そして、大変参考にさせていただいたサイト「Desire for wealth」さんに大感謝。この記事がなかったら、自炊作業はまだ手を付けなかったかもしれません。

手順としては
  • カッターで本の断裁
  • ドキュメントスキャナでスキャン
  • 必要ならば画像の手直し
  • PDFの結合とトリミング
  • 結合ファイルの圧縮
  • 閲覧
となります。ではでは…


【カッターで本の断裁】
別に難しい事はなにもありません。アナログ作業なので自分の技量に左右されます。綺麗にきれればスキャンしたときに曲がりが少なくなって、精神衛生上よろしいだけです。


【ドキュメントスキャナでスキャン】
いまどきHP Officejet 7410(以下7410)なんて使っている人が何人いるかわかりませんけど…。
7410が発売された当時は専用アプリがあったような気がしますが、今ではすっかりApple純正の「イメージキャプチャ.app」を使用するようになってます。自分も今となっては結構昔からパソコンを弄っているので、他メーカーのハードウエアをOSメーカーのアプリ一つで制御するには違和感ありますよね。便利ですけど。
スキャン時の設定ですが、詳細情報を呼び出して設定します。設定値は…
  • 写真(グレースケール)
  • 300dpi
  • モアレ軽減有り
にしています。スキャンスナップでもあまり変わらないかと思います。
白黒(2階調)取り込みで作成している人もいらっしゃるようですが、自分は写真(グレースケール)で取り込んでいます。これは後々Photoshopでの手直しを考慮しての事です。
カラーページの場合も「写真(グレースケール)」を「カラー」に変更しているだけです。


【必要ならば画像の手直し】
雑誌からのスキャンの場合、裏写りが激しいので、ちゃんと読みたい漫画はPhotoshopで手直ししています。
スクリーントーンと裏写りの飛ばしを自動化は無理なことに気がついたので手動で。
人によっては手直し後に容量削減の為2階調化にする人がいるかとおもいますが、自分は行っていません。
  • トーンカーブでの白色点を指定
  • トーンカーブでの黒色点を指定
  • 必要ならば、白色点のレベルを変更する
処理後の画像は下画像。左がスキャンしたままの画像、右が手直しした画像。

著:水谷ゆたか 作:ひなたフェードイン 芳文社 マンガタイムファミリー より


【PDFの結合とトリミング】
ページ数とファイル名の同期が取れている場合、なにも難しい事はありません。
Acrobat Proのファイルから「ファイルを単一のPDFに結合…」を選択して編集したPDFファイルを選択すれば結合されたPDFファイルを作ってくれます。
トリミングツールを使用して任意のサイズを指定した後、忘れずに「すべてのページに適応」するように。
Photoshop上でトリミングを行ってもいいとは思いますが、手間を省くためにAcrobatでやってます。あまり手間をかけると自炊する気力なくなりますし。



【結合ファイルの圧縮】
さて、ここからが肝になりますでしょうか?
Acrobatで結合されたファイルは300dpiの画像が集合した大きな画像になってます。CPU速度と保存領域に余裕のあるパソコン上であるならば作業を終了してもよろしいでしょうが、iPadでの閲覧目的の場合、容量を軽くしてサクサクと読める状態にしないといけません。
そしてここでおもむろに「Desire for wealth」で記事になっている「プレビュー.app」での圧縮をいたします。
「Colorsync ユーティリティ」の設定と圧縮の仕方はリンク先を見てください。

と、肝心肝要なところを他のブログのリンクで済ますのもなんですので、描き込みの多い漫画の場合の設定を詰めてみましたのでここで紹介します。
素材は「DOMINION C1」著:士郎正宗 青心社を使用しました。この本を選んだ理由はいい加減なのですが、結果的に士郎正宗 氏の漫画でOKならだいたいOKじゃないか?と思うわけです。
下記が「Colorsync ユーティリティ」の設定。

比較画像(左がリンク先での設定。右が今回の設定)

「DOMINION C1」57ページより
画像を見ていただくとわかるように、細かい書き文字(推薦本だよ)がなんとか判別出来るのと、欄外の説明文を読むには問題ないレベルです。(実際C1はもっと細かい文字がいっぱいあるのだが、元本はあるし、スキャンデータは残っているのでまぁ良しという感じ)
この設定の素晴らしいところの一つに、単純計算で2倍のファイルサイズというところ。今回ブログを書くのにリンク先の設定で作ったサンプル画像はOS上で127KBなのだが、この設定で作成したファイルは250KB。
今後は、本の性質に合わせて二つの設定を使い分ける事になりそうです。

参考までに:
「Colorsync ユーティリティ」の設定ですが、色々弄ってみましたがサイズ調整がどのような働きをしているかよくわかりませんでした。
イメージ圧縮の品質を変えるより、イメージのサンプリングの最大、最小値を768から1024に変更したほうが効果が高かったです。ただ、iPodの解像度もありますので、1024以上に変更する必要もないと思います。


【閲覧】
まぁ、普通にiTunesにドラッグ&ドロップしてください。
これで自炊終了です。


【最後に】
長々とおつきあいありがとうございます。
今のところスキャン直後のデータは保存しています。iPadの倍解像度版とかでたらアレですし。結局、元本持ってたりするので今のところ省スペース化には役立ってなかったりします。

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